マルハ大洋スポーツ(ストーブリーグ突入版)

                       
                       
                       

「憲法改正」の真実(集英社新書)

「憲法改正」の真実 集英社新書 樋口陽一・小林節
978-4-08-720826-9


久しぶりに勉強になった書籍

でしたので、月末恒例の読書リスト一覧とは別個で紹介致します。


2012年に発表された「自民党改憲草案」や昨今の政界で動きが喧しい「憲法改正」
への道筋の問題点が分かりやすく論理展開されています。


本文中で「目からウロコ」という気付きにつながった内容を以下に簡単に
列挙すると、


(民主)と(立憲)はときに対立する
※(注)最近分裂した某野党の事を言っているのではない。


主権者である国民に選ばれた国会議員なんだから、議員を制限するモノは何もない
というロジック=民主主義が立憲主義を破壊する危険
ひいては、多数派が支配的に振るまって良いとする「絶対民主主義」を招来する
危険性につながってくる。(現状の安倍政権がそう。)


立憲主義=法の支配 権力者が好き勝手に振る舞う事に制限をかけるのが憲法の役目


民主主義と立憲主義は、ある部分において拮抗する場面があるので、そのバランスを
保つことが大切。


自民党改憲草案は、権力者に縛りをかける部分を緩和し、国民に義務を強いる内容
という点で「近代憲法」の体を為していない。


この重要な点において、両者が論理的に分かりやすく解説しています。
「道徳」を憲法に明記する事の危険性についても同様です。


という感じで、他にも9条改正の是非についても理性的な議論が交わされていて、
非常に示唆に富む内容で一読の価値ありです。
図書館等で見かけたら是非手に取って頂きたい書籍。法律に関する素養がなくても
理解できる平易な内容です。


余談ですが、私は法学部(3流大学なのでゴミバカウンコレベル)出身ですが、
憲法の果たすべき意義=時の権力者の恣意的な振る舞いに歯止めをかける為の
法律、権力者の横暴を許さないという機能を果たしている点について
全く無知なまま卒業をして、最近まで至りました。情けない話である。
憲法の教授も、講義でそんなことを説明しなかった点もあるんだけれど、
大変にお恥ずかしい限りですわ。頭が悪過ぎたんだね。だから学部レベルで
指定される各科目の教科書なんか一生懸命読んだって、さっぱり理解できなかった。
さすがに、期末の試験なんかは、試験の主題を事前に言ってくれるから、その部分の
項目をテキスト丸暗記すれば良かったから単位は獲れましたけど、
ただ字面を追いながら文字を暗記しているだけ。学問的なエッセンスなんか
まるで理解していない。4年間無駄でしたな。
まあもともと大学なんか行きたくなかったし(ゲーム系の専門学校志望でした)
3流大学の法学部なんてバカでも入れそうだったから選んだだけなので
どうでもいいけど。


さて、最近の自民党を中心とした「憲法改正」の動きについても要注意事項を
私なりに指摘しておきたいと思います。


教育無償化を憲法に盛り込む→不要。一般法で根拠規定を設ければ済む話。


緊急事態条項を設ける→絶対に不可! 行政府の恣意的な裁量を無限大に許してしまう
結果につながりかねない為。
この問題でよく言われている事、災害時に法律による足かせがあるから、政府が
機動的に動けないというのを理由にしているけど論外。
災害時の復旧、救助活動等を円滑に推し進める目的なら、地方自治体の裁量に
委ねるような立法を行う事が先決である。


自衛隊の存立根拠を憲法9条3項に設ける→絶対に不可!
自衛隊の存立根拠を憲法9条3項に設けると、「後法優位の原則」によって
9条の1項と2項が空文化、いうなれば「骨抜き」の形にされてしまいます。
安倍さんが狙っているのはまさにそれ。
これを規定しちゃうと、個別的自衛権も集団的自衛権もなんでもありになって、
時の政権による閣議決定で、例えばアメリカが仕掛けた戦争に、自衛隊を無条件で
加担させてしまう危険性が出てきてしまいます。
また現行の安全保障関連法も「憲法違反の法律ではない」というロジックも
正統性を持ってしまうでしょうね。


(了)