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読書リスト(2018年6月分)

今月は以下の6点となります。


「数学する身体」
版元:新潮社(新潮文庫)
著:森田真生
ISBN:978-4-10-121366-8
定価(本体)¥490+税
【コメント】数学はもっと人間のためにあることはできないのか。最先端の数学に
身体の、心の居場所はあるのかー(中略)数学の営みの新たな風景を切り拓く俊英、
そのきらめくような思考の軌跡。小林秀雄賞受賞作。(以上本紙カバーより)
「数学論」と「哲学」を組み合わせた様な得体の知れな本。著者の意図が今一つ
掴み切れず読んでいて退屈だった以外の感想はない。あとがき・解説は読まなかった。



「新・日米安保論」
版元:集英社(集英社新書)
著:柳澤強二・伊勢崎賢治・加藤朗
ISBN:978-4-08-720884-9
定価(本体)¥760+税
【コメント】日米地位協定に象徴される従属的なアメリカとの同盟関係を今後も
重視する必要があるのか?という観点を中心に、今後の日本における防衛の在り方に
ついて、3名の識者が「侃々諤々」の議論を交わす対話形式の書籍。まあ、いうまでも
なく非常に難しい問題なので、結論なんか出ようはずがない。柳澤氏が本文で述べて
いる通り、世界が覇権国の力の論理で動いているという現実面を踏まえると、今すぐに
日米安保体制を無にする選択肢は絶対にありえないと思う。そうであるからこそ、
日米地位協定の不平等性を是正する努力は欠かせないはずだが、その辺の動きが日本
政府から全く湧き上がってこない事はどういうことなのか?という疑問は常にあります。



「昭和天皇の終戦史」
版元:岩波書店(岩波新書)
著:吉田裕
ISBN:978-4-00-430257-9
定価(本体)¥820+税
【コメント】戦争責任は果たして軍部にだけあったのか?天皇と側近たちの「国体護持」
のシナリオは一体何であったのか? 近年社会的反響を呼んだ「昭和天皇独白録」を
徹底的に検証し、また東京裁判・国際検察局の尋問調書など膨大な資料を調査・検討を
した著者は、水面下で錯綜しつつ展開された、終戦工作の全容を初めて浮き彫りにする
(以上、本のカバー折り返し部分 本書の説明書きより)


アジア太平洋戦争の責任の所在について関心のある方なら、是非お手にとって読んで
頂きたい本である。イデオロギー的な色彩を含んだ内容につき、扱いの無い図書館も
多いだろうが、見かけたら一読の価値があることだけは間違いありません。
いわゆる「戦争責任」に対する私見は、私なりに持ってはいるつもりですが、ここでは
割愛致します。一つ言えることは、歴史的背景を正しく理解するには、複数の信頼の
おける資料を丹念に読み込んで、自分で判断するほかはないということ。そういう努力を
重ねてかいかないと、昨今喧しい空気を漂わせている「明治維新礼賛」にやみくもに
迎合することにもつながってしまいます。



「日本人はなぜ存在するか」
版元:集英社(集英社文庫)
著:與那覇潤
ISBN:978-4-08-745739-1
定価(本体)¥540+税
【コメント】著者が愛知県立大学の教養科目「日本の歴史・文化」を、2009年から
2014年まで受け持った際の講義録をまとめたもの。日本人論を終始、「再帰性」と
いう概念に帰納させて論理展開していくが、何だかわかったような分からないような
雲をつかむような話で今一つピンと来なかった。



「超常現象 科学者たちの挑戦」
版元:新潮社(新潮文庫)
著:NHKスペシャル取材班
ISBN:978-4-10-128380-7
定価(本体)¥630+税
【コメント】幽霊、超能力、死後の世界、生まれ変わり(前世の記憶)などの
超常現象に対し、人類はどこまでその正体に迫ることができるのかについて最新科学を
駆使して徹底検証を図ろうという趣旨の番組(NHKスペシャル:超常現象科学者の挑戦)を書籍化したもの。NHKなので当然、「幽霊は存在するぞ」とか「超能力はあるぞ」などとするスタンスでもなければ、全面的にインチキだと決めてかかっている
わけではない。その点非常にニュートラルな視点で科学的に考察を深めてることには
共感を持てた。結論としては現在科学をもってしても、これらの現象は「ある」とも
「ない」とも言い切れないのであるが、しかし、初めから「インチキ」と決めかかって
学問的な研究が停滞するような事態だけは避けて欲しいと思いました。



「疋田桂一郎の天声人語」
版元:朝日新聞出版(朝日文庫)
著:疋田桂一郎
ISBN:978-4-02-261909-9
定価(本体)¥660+税
【コメント】1970年5月から1973年3月までの朝日新聞「天声人語」から、211回分を
まとめて書籍化したもの。上記期間の「天声人語」担当は、疋田桂一郎氏(故人)だが、
戦後の朝日新聞に「この人あり」と言われた大記者らしい(誇張だと思うけど・・)。


読んでみた感想は、最近の「天声人語」担当の文章よりも、随分と偉そうな内容だな
と思ったコラムが大多数。今の時代に疋田氏が「天人」書いたら、たぶんクレームが
多数寄せられるレベル。とにかく内容が辛辣過ぎてビックリした。
それから書かれているのは「社会問題」が中心だが、驚くほど、最近の問題と内容が
似通っている。つまり、社会全体の規範意識というものは、日本は50年近く前から何ら進歩していないということ。これだけはハッキリと言えるし、それを裏付ける当時の
疋田氏の「コラム」でもある。
もう一つ興味深かったのは、昭和45-6年というと、交通戦争=自動車による交通事故が
多発した時代だったと思うが、それを如実に表す通り、疋田氏も「天声人語」で、
自動車運転者の「横暴」を何度も嘆く文章を書いている。


(了)